2016年2月19日金曜日

【雑記】2016年1月の読書ログ

どうもこんにちわ。

そういえば、ブログ村のランキングに出る自己紹介のところに「時々映画や本の感想も」とか書いているくせに、一度も本の感想書いたことなかったと気づきました。
マァ、全く需要はなさそうなのですが、自分の記録用に残しておこうかなと。
続くかわかりませんけど。
なにせ、読書は乱読タイプ。
1冊の本を読み終わる前に別の本に手をだし、読み終わる前に放置することもしばしば。
あと、同時進行で2冊読んだりとか。
なので、「読み終わった!サァ感想書こう!」というタイミングがいまいち掴みにくいのです。時間経つと、億劫になっちゃうし。
この読み方でいいんだか悪いんだかわかりませんが、1冊じっくり読むタイプの母からすると信じられないそうです。ほっとけ。

とりあえず、1月中に読み終えた本。

・『競売ナンバー49の叫び』トマス・ピンチョン/志村正雄訳
・『残穢』小野不由美 (新潮文庫 2015)
・『鬼談百景』小野不由美(角川文庫 2015)
・『悪魔の涎』フリオ・コルタサル/木村榮一訳 (岩波文庫 1992)


あくまで、個人的な感想と見解です。
興味あるわなんて奇特な方、続きよりどうぞ。



『競売ナンバー49の叫び』
《主人公エディパ・マーズは、かつての恋人のピアス・インヴェラリティという大富豪が、遺言で彼女を遺産執行人に指名したことを知る。彼の遺産を調べるうちに、彼女は闇の郵便組織「トライステロ」の存在に気づき、その謎に巻き込まれることになる―――。》

ポストモダン文学らしさ全開の難解さと面白さ。しかし、ピンチョンの作品の中では一番読みやすいのは本作なのだとか。
いわいる「アンチミステリー」というか、謎解きに見せかけたアイデンティティーの喪失や模索の物語。謎とされているものはある程度謎のままで終わるので、ミステリー好きな人には不満が残ると思う。日本人で、こういう形式の小説を書くのは、村上春樹ですな。
固有名詞が独特だったり、翻訳でも要所要所で「あ、ここは何か言葉遊びがされているな」と感じるところがあり、原語で読んだらもっと色々面白いのかもしれない。余計難解になりそうだけど。あと、このレベルの英語を読み解く自信がない。相当時間がかかりそう。
主人公の「エディパ」という名前にも違和感を覚えたら、綴りは"Oedipa"と書く。ここの部分は解説で読んだのだけれど、ああ、オイディプス王のもじりか!とすぐわかった。
あと、これは解説を読まなければ気づかなかったことだけれど、ピンチョンもかなりE.A.ポオの影響を受けているのだとか。さすが、my beloved Edgar。笑

総合して、非常に面白かった。久しぶりに読みごたえある小説だったな、と満足感で満たされました。


『残穢』
《主人公の作家は、読者からもらった一通の体験談に目を留める。読者の住むマンションの部屋で、不可解な音がするという。なんてことのない体験談なのだが、作家は何かが引っかかる。実は以前にも、同じマンションの別の部屋の住人から、似たような体験談が彼女のもとに寄せられていたのだ。その音の理由をつきとめていくうちに、彼女たちはとんでもない恐怖の系譜を探り当てていくことになる―――。》

映画公開につられて読んでみた。小野不由美っていうと、ラノベとか青少年向けを書いているイメージだったけれど、これはちゃんと(?)大人向けの作品。なんで冬に読んじゃったのっていうくらい、読後は背筋のぞくぞく寒い感じが止まりませんでした。
一言でいうと、ホラー小説です。
この話が他のホラー小説と一線を画しているのは、事実とフィクションが混ざり合って、一体どこまでが作り物なのかわからないところ。そして、それによって怖さが倍増する。何せ、この小説の主人公の「作家」って、そのまま小野不由美のことなのです(明記はされてませんけど)。
タイトルの『残穢』とは、文字通り「穢れが残る」ということ。土地に染みついた穢れが残り、まではわかるんですけど、それが「伝染する」っていうのは恐ろしすぎる。
あんまり詳しく書くと、読む楽しみがなくなるのでこのへんで。
あ、ちなみに、本を読んでしまえば映画は見なくてもいいと思います。笑
ぶっちゃけ、本の方が怖いし。

ホラー好き、って方には超絶おすすめですよ!


『鬼談百景』
《読者から寄せられた、恐怖や不思議な体験談を集めた短編集。百物語になぞらえて、九十九話収録されている。》

『残穢』の映画公開を記念して、こちらの短編集から10話選ばれて映像化されたものをGyao!で見たので、こちらも原作を読んでみました。
体験談が、若い人に向けて募られたということがあって、学校絡みのものが多かったかな。
長くても2、3ページくらいの短い文章の中で、淡々とあったことのみが語られるのも、想像力をかきたてられてなかなかに怖かったです。
中には、『残穢』につながる話も2編ほどあり、ますます本当なんだか作り物なんだかわからなくなります。

映像と合わせて読むのがおすすめです。


『悪魔の涎』
《あちらの世界とこちらの世界。境目はいつも曖昧なのだと、ふと気づかされる10話の短編集。》

こちら、我が心の師匠、「しましまnails」のしましまさんにおすすめ頂いたもの。
ボルヘスとガルシア・マルケスに恐れをなして、ラテンアメリカ文学をなんとなく敬遠していた私に、これならきっと読めるよ!と教えていただいたのでした。
現実に不思議な世界が音もなく忍び寄ってくるこの感じ、日本人の作家で言うなら内田百閒が近いかな?と個人的には思いました。
一つ一つの話について色々書きたい気もするけど、冗長になりそうなので割愛。
一つだけ、「占拠された家」を読んだとき、「これポオの雰囲気だ!」と思いました。解説を見たら、やはりポオに影響を受けているということで嬉しくなりました。
しかし、ピンチョンといいコルタサルといい、オヤと思うと彼の影が。まるで、ポオが先回りして「ドヤァ」と言っているかのようでした。

私の好みドンピシャでした。私のように、ラテンアメリカ文学はちょっと苦手、って方に是非読んでほしい一冊です。




2月はあんまり新しい本を読めていないから、読書ログは書かないかも。
ここまでお付き合いしてくださった方、長文で失礼いたしました。

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